
千葉県に開院した「はな動物病院」は2階建ての住居併設動物病院。病院は1階、住居は1・2階にあります。
病院の前は駐車場スペースをたっぷりとり、玄関までの階段の横にはスロープもついています。肉球のアクセントもかわいいですね。
玄関まわりの屋根は少し前に出し、水栓設備やベンチのスペースを設けています。水栓設備は、ワンちゃんが水を飲んだり、汚れを落としたりできるように。ベンチスペースは、待合室にいられないコたちのために用意されました。
病院と住居はドア1枚でつながっています(1階)。近隣に迷惑をかけないように防音性に配慮する一方で、建物内では住居エリアにいても入院中の動物の声が聞こえるように、住居と動物病院の間は防音工事をしていません。
院長先生が女性で病院名が「はな」でもあることから、インテリアや小物はピンクでコーディネイト。
天井は、院長先生が「外で仕事をしている気分になりたい、来院した方も和んでもらいたい」と、青空に雲が浮かん
でいるクロスが選ばれました。
また、壁は「張り紙をすることが多いけれど、画鋲は危ないから……」と磁石がつくようになっています。院内の各部屋は、
天井埋込型ナノイー発生機で脱臭しているので、ニオイをまったく感じません。
診察室のピンクのドアには肉球をかたどった小窓があり、処置中の様子を待合室から確認できるので安心です。小窓には、透明のアクリル板が入っています。この小窓、くり抜く肉球の大きさの型をつくり、建具屋さんと何度もバランスを考えながらつくっていったそうです。
2つある診察室の間の壁は天井との間にすき間をあけ、エアコンの空気が流れるようになっています。
病院の裏手(南)には、ドッグランもあります。1.8m のフェンスをまわしてあるので大型犬でも大丈夫。芝生アレルギーのワンちゃんもいるため、グランドはコンクリートになっています。
設計を担当した愛犬家住宅コーディネーターの平山さんは、ミニチュア・ダックスフンド4頭とコーギー1頭と暮らし、動物病院の常連さんということもあり、随所に「こういうのがあったらいいな」という思いを活かし、設計にあたったそうです。